世界ボランティア宣言 World Volunteer Proclamation |
ボランティア活動は、市民社会の礎(いしずえ)となるものである。それは人類の最も崇高な願望、即ち、全ての人々のための平和、自由、自己表現の機会、安全、および正義の追求に生命を吹き込む。
今日、グローバリゼーションの進展と絶えることのない変化の中で世界はいよいよ小さくなり、相互依存の度合いを強め、ますます複雑化している。
このような時代において、ボランティア活動は、個人あるいは集団による行動を通して、
以下のような役割を果たす。
コミュニティがもつ人間的価値、思いやり、そして奉仕の心を支えさらに強化することができる。
個人はコミュニティの一員としての権利と責任を果たすことが可能になると同時に、生涯を通じて学習し成長するとともに、人間性を全面的に開花させることができるようになる。
私たちの共通の課題を革新的な方法で解決するとともに、私たちの共同の運命を切り開くための活動を協同して行うことによって、人々が健全で持続可能なコミュニティで共存できるようにし、私たちを隔てている違いを乗り越えて人間的きずなを作り出すことができる。
新しい千年の夜明けを迎えて、ボランティア活動はあらゆる社会の基本要素となっている。
ボランティア活動は、「われわれ、人民」こそが世界を変革する力を持っている、という国際連合の宣言を、実効ある行動に移すものである。
* * * * *
このボランティア宣言は、文化・民族の起源・宗教・年齢・性別、さらに肉体的・社会的・経済的条件にかかわりなく、あらゆる女性、男性、児童が自由に組織をつくり、ボランティア活動を行う権利を支持する。
世界中の全ての人々は、その時間、能力およびエネルギーを、個人および集団による行動を通して、金銭の報酬を期待しないで、他者やコミュニティに対し自由意志に基づき提供する権利をもつべきである。
私たちは、ボランティア活動の発展のために以下のように努力する。
コミュニティ全体で自らの課題を明らかにし、それに取り組むように参加意欲を引き出す。
若い人たちが生活の一部として継続してボランティアサービスを行なうように奨励するとともに、
指導性を発揮できるように支援する。
自分たちでは発言できない人々のために代弁する。
ほかの人たちがボランティアとして参加できるように支援する。
行政および民間セクターがその責任で行う行動や、報酬を得て働く人々の仕事を代替するのではなく、それを補完する役割を果たす。
人々が新しい知識や技能を身につけ、個人の能力、自立性や創造性を充分開発できるように支援する。
家族、コミュニティ、国全体、地球全体の連帯を発展させる。
私たちは、ボランティアとボランティアが奉仕する団体やコミュニティと、
以下について共同責任を負うことを確認する。
合意した成果の実現を促進するような、有意義な活動をボランティアが行えるような環境を整える。
ボランティアの参加基準について、受益団体とボランティアがお互いの関係を終了する場合の条件も含めて明確に定めるとともに、ボランティア活動を指導する方法も開発する。
ボランティアとそのサービスを受ける人たちのために、リスクに対する適切な保護措置をとる。
ボランティアに対して適切な訓練、定期的な評価および顕彰を行う。
ボランティア活動への参加を妨げる物理的、経済的、社会的、文化的障害を取り除いて、誰でも参加できるようにする。
* * * * *
国際連合人権宣言に表明された基本的人権、ボランティア活動の原則およびボランティアと彼らが所属する団体の責任を念頭におきつつ、私たちはボランティア活動に関わる各界各層に呼びかける:
すべてのボランティアたちへ;
ボランティア活動は以下のような、創造的かつ仲介的な力を発揮するものであると、
宣言すること。
すべての人々の尊厳を尊重する健全で、持続可能なコミュニティを築く。
人々が人間としての権利を行使して、その生活の向上を図るための能力を高める。
社会的、文化的、経済的、環境問題を解決するための支援をする。
世界的な協力を通じて、より人道的で公正な社会を築く。
指導者たちへ;
すべてのセクターの指導者は、ボランティア活動の主要な指導組織として、強力で目にみえる有効な「ボランティアセンター」を地域、全国単位で創設するために、
力を合わせること。
行政の指導者は、全ての人がボランティアとなる権利を保障し、参加を阻害している法律上の障害を取り除き、行政の活動にボランティアを参加させ、NGOがボランティアの効果的な動員・運営を推進・支援するための資源を提供すること。
企業の指導者は、従業員がコミュニティでボランティアとして活動するように奨励し、便宜を図り、ボランティア活動を支援するために必要な基盤整備を行い、人的・財政的資源の提供を確実に果たすこと。
マスコミの指導者は、ボランティアを話題として取り上げ、人々がボランティア活動に参加するように励ましたり、支援したりするための情報を提供すること。
教育の指導者は、あらゆる年齢の人々がボランティア活動に取り組むように励まし、支援し、提供するボランティアサービスについて見直し、学習する機会を創りだすこと。
宗教指導者は、ボランティア活動こそ、全ての人々に奉仕を求める精神的な呼びかけに適切に応えるものであると、表明すること。
NGOの指導者は、ボランティアにとって友好的な組織環境を整備し、ボランティアが効果的に活動するために必要な人的・財政的資源の提供を約束すること。
国際連合は;
自由意志に基づく社会制度を強化する必要性を認識して、この宣言を「ボランティアと市民社会のための今後10年間の指針」として宣言すること。
「赤いVマーク」をボランティア活動の世界的なシンボルとして公式に承認すること。
IAVEは、世界のあらゆる分野のボランティアおよび指導者に対し、お互いがパートナーとして結束し、全ての人々および全ての国々の連帯のシンボルとして、誰もが参加できる効果的なボランティア活動を推進・支援することを提唱する。IAVEは、地球上のボランティア全員がこのボランティア宣言を学び、論じ、支持し、そしてこれを実現するように要請する。
この宣言は、ボランティア国際年の2001年1月、アムステルダムで開催された
第16回IAVE世界ボランティア会議において、IAVE国際理事会によって採択された。
トップページへ